鼻中隔延長術(鼻先延長術)とは
鼻中隔というのは鼻の穴を左右に分ける、壁の役割をしている軟骨で、鼻中隔軟骨と言われています。
鼻中隔軟骨には鼻を上と後ろから支えるという役割がありますが、この鼻中隔軟骨が小さい場合は鼻先が短くなってしまい鼻の穴が正面から見える、いわゆる "ブタ鼻"になってしまいます。
この鼻中隔軟骨をのばすことで鼻先の形を整えるのが鼻中隔延長術という治療です。
鼻中隔延長術(鼻先延長術)の方法
鼻中隔を延長するためには、この鼻中隔軟骨に他の軟骨を継ぎ足すことで延ばします。 鼻中隔軟骨は土台としてしっかりした部分ですから、鼻中隔軟骨に軟骨移植を行うことによって、支えが不安定な鼻先や鼻柱であっても十分に高さを出したり、伸ばしたりすることができます。
軟骨移植といっても、鼻先と鼻中隔軟骨は距離が離れていますから、鼻先に軟骨を移植する場合とは異なり、鼻中隔軟骨に大き目の軟骨を継ぎ足して鼻尖方向や鼻柱方向に延長し、ここに鼻翼軟骨を縫い付けて固定します。
手術は全て鼻の穴の中から行うので、傷痕が見える心配はありません。移植する軟骨は耳介軟骨、鼻中隔軟骨、肋軟骨のいずれかを使用します。
耳軟骨は、術後に耳が変形することがない範囲で採取するので、軟骨の大きさや強度に限度があります。
このため左右の耳から、耳の形に影響が出ない範囲でなるべく大きな軟骨を採取して、2枚合わせに鼻中隔軟骨の下端に固定して延長します。
鼻中隔軟骨を使用する場合は、土台の強度が保たれる範囲で鼻中隔軟骨の一部をくり抜いて、これを延長用に使用します。
耳軟骨に比べて十分な強度と大きさが確保できるので、より大きな効果を出し易いメリットがありますが、もともと極端にの鼻中隔軟骨のサイズが小さいケースでは適応できません。
肋軟骨の場合は最も大きな軟骨を採取できるので、必要な分だけ延長できるのが最大のメリットですが、肋軟骨を採取するために胸を4~5cm皮膚切開する必要があり、傷跡が残る手術ですので、耳軟骨や鼻中隔軟骨では延長に必要なサイズが確保できない、あるいは特殊な修正手術のケースの場合のみ適応となります。
組み合わせ治療
鼻は立体的な部位で、骨、軟骨、皮膚がそれぞれ位置を保ちながら存在していますので、鼻先の形成を行なう場合、鼻中隔延長術だけでは希望通りに仕上がらないことがあります。
その場合は他の治療をいくつか組み合わせて行ないます。
鼻の印象を小さく・・・小鼻縮小と組み合わせ
鼻の印象をスリムに・・・プロテーゼ隆鼻術と組み合わせ
鼻中隔延長術(鼻先延長術)の実例
症例写真1(I型オーダーメイドプロテーゼ隆鼻術+鼻中隔延長術)
●術前
鼻根部(目と目の間)が低く、鼻先も丸みがあり、鼻の穴が正面から丸く見える状態です。
●術後(2か月後)
鼻尖の高さを出し、同時に鼻尖や鼻柱を下げるように耳介軟骨によって延長し、鼻先を細く修正しました。
鼻すじはオーダーメイドプロテーゼ法(I型プロテーゼ)で形成しています。
鼻の美容手術はたいてい鼻の穴の内部の切開から行いますが、鼻中隔延長術で軟骨を固定する部分は鼻の奥深い位置であるため、正確に手術操作を行うために両側の鼻の穴の内部と、鼻の穴の間の部分(鼻柱)
を連結して皮膚切開する方法(オープン法)で手術を行っています。
症例写真2(I型オーダーメイドプロテーゼ隆鼻術+鼻中隔延長術)
●術前
鼻根部(目と目の間)がやや低く、鼻の穴が正面から見える状態です。
●術後(2か月後)
鼻尖や鼻柱を下げるように鼻中隔軟骨と耳介軟骨によって延長し、鼻先を細く修正しました。
鼻すじはオーダーメイドプロテーゼ法(I型プロテーゼ)で形成しています。
症例写真3(I型オーダーメイドプロテーゼ隆鼻術+鼻中隔延長術)
●術前
鼻根部(目と目の間)が低く、鼻先も丸みがあり、鼻の穴が正面から丸く見える状態です。
●術後(3か月後)
鼻尖の高さを出し、同時に鼻尖や鼻柱を下げるように耳介軟骨によって延長し、鼻先を細く修正しました。
鼻すじはオーダーメイドプロテーゼ法(I型プロテーゼ)で形成しています。
手術料金(税別) | 手術時間 |
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鼻中隔延長術(耳軟骨) ¥750,000 | 2時間程度 |
鼻中隔延長術(鼻中隔軟骨+耳軟骨) ¥900,000 |